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湘南エリアでYOGAを伝えているriaのつれづれ

苦労じゃない。楽しんでるだけ。

ノーベル賞を日本人が2人受賞したとか。
おめでとうございます。
母が付けっぱなしにしていたテレビの音をBGMに、夜遅く家事をしていたら、どこかのニュース番組のキャスターがインタビューをしていて、その受賞した物理学者とインタビュアーの会話の噛み合なさ加減がオモシロかった。

インタビュアーは引き出したい欲しい答え有りきで質問をしているが、 物理学者は彼の言葉で答えるので、それに対して会話が成り立たないというか、、、
中でも秀逸だったのが 『ご苦労もあったと思うんですけど、乗り越え方を教えてください』っていうような趣旨の質問に対してのリアクション。
彼は一瞬「うーん、その質問は…」と言い困ったような表情になり、 「乗り越えるとかじゃないんですよね…」というような趣旨の事を話したと思う。
インタビュアーも予期しない答えが戻って来て、たぶん彼女には理解できなかったのだろう、ちぐはぐな雰囲気でインタビューは終了した。

受賞した研究内容は現実世界ですぐ何かに役に立つ、というような類いのものではない。
現世にどっぷり浸かって過ごしていると、「役に立たない研究」が理解できないんだろうな。私たちは「役に立つ」ことがすごく大事で、「役に立たない」ことは悪、というような教育を親からも社会からもされてきた。でも「役に立つ」のは『人間にとって』のことであり、それはとても狭い視野であることをそろそろ気づいてもいいんじゃないかな、って思った。

そして、ただ好きな事を追求しているだけで、苦労とか感じてないのだ。
これは研究者だけでなく、全ての人にいえると思う。
『数々の難関を乗り越え、苦労の末、達成する』という図式が日本人って大好きで
インタビュアーもその図式にはめ込もうとするのだけど、違うんだよなあ。
周りからみたら苦労に見えるかもしれないけれど、当事者にしてみたら苦労じゃないんだよなあ。
ただ、楽しんでるんだ。好きだから、苦労だと感じない。

そろそろ、『苦労を乗り越えて何かを成し遂げる』とか『苦労をしたからこそ、何かを得る』という固定概念を手放せばいいのに、、、なんてまだ若いインタビュアーを見ながら思った夜でした。