『土用』というと、うなぎを食べる『夏の土用』が有名ですが、春夏秋冬、各節の変わり目ごとに次の季節の準備期間にあたる『土用』があります。
わたしのヨガクラスでは陰陽五行思想も取り入れ、季節ごとにケアしたい経絡を意識しながらポーズを行っています。
【陰陽五行思想とは】
古代中国の自然哲学『陰陽五行』。
万物の構成要素として木・火・土・金・水があり、これを季節に当てはめ、木=春、火=夏、金=秋、水=冬とし、
「土」は各季節の変わり目18日間を「土」の支配する季節として「土旺用事」略して「土用」とした。
東洋医学では人間も自然界の一部であることから、陰陽論や五行説の考え方を診断や治療、日常の養生にも応用しています。
土用とは
二十四節気の立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの季節が変わる前の18日間のこと。
ちょうど季節の変わり目のこの時期に、自然界や人の身体も次の季節の準備をする。
陰陽五行では『土』は物事の移り変わる4つの層の中心。中心が定まることで効率良く全身の機能を活かすことが出来る。
土用の時期はカラダが次の季節へと移行しているため体調を崩しやすい時期でもあります。
さらに土用はカラダに溜まった要らないものを出しやすい時期。この時期にしっかり「出す」ことで次の季節を元気に迎えることが出来ると云われています。
土用の期間は『脾』がよく働く
万物の構成要素としての木・土・金・水は人の体では五臓(肝・心・肺・腎)となり、土=脾。
土用の期間はこの『脾』がよく働いて、他の各臓器を癒します。
『脾』とは
東洋医学の『脾』は西洋医学の『脾臓』という臓器の機能だけではなく、『脾』はその支配下の『胃』と共に氣・血を作り出す元締めとしての働きを指します。
簡単に言えば主に胃腸の役目や働きがあると考えるといいと思います。
『脾』の働き
- 食物を消化吸収しエネルギーに変える
- 体内における氣血津液(血液・唾液・尿など)の体液のバランスを保つ
- 血液を作る
などを司るとされ、
他の生き物のエネルギーを取り入れる胃腸の働きや、そのエネルギーから自分の生命エネルギーを作り出し、次の世代を作り出す生殖能力にも深く関わっています。
『脾』=エネルギーを作って全身に送り届ける働き
各季節に頑張って働く各臓を助けるために、季節の変わり目に脾・胃が働いて気血を補っています。
『脾』が弱い人の特徴
- 物事を思い悩み、心配性
- 湿気の多い時期が苦手で、季節の変わり目に体調を崩しやすい
- 甘いものが好き
- 胃腸の働きが悪く、すぐお腹を壊す
- 風邪を引きやすい
- 月経に関して何らかの悩みがある
土用の時期の過ごし方
土用の期間は胃腸を労ってあげることで、食べ物をしっかり消化吸収してエネルギーを作り出すことが大事です。なぜなら、エネルギーが満ちていれば季節の変わり目の気温変動が大きくても身体をしっかり調節することができます。
胃腸の働きが悪いのにたくさん食べても、それがそのまま「元気=エネルギー」になるわけではありません。食べ物から身体の役に立つエネルギーを作るには消化吸収の働きが必要。=胃腸がしっかり働いていること
胃腸の弱い人が元気になろうとして無理にたくさん食べるとますます脾(胃腸)の働きが悪くなり疲れてしまいます。
脾(胃腸の働き)を活性化する方法
- 少食にして胃腸を休める。
- プチ断食をする
- 間食を控える
- 夕食を軽く早い時間に済ませる
- 夕食後、次の日のお昼まで食べない
- 脾は「湿」を嫌うので、生もの・冷たいもの・甘いものの摂り過ぎや脂っこいものを控える
脾の食薬
- 春〜菜の花、キャベツ
- 夏〜かぼちゃ、とうもろこし
- 秋〜栗、さつまいも
- 冬〜甘酒、干し芋
甘いものは脾を養いますが、多すぎるとこれを傷めます。自然の甘みが良薬となる。
白砂糖の甘みは出来れば省く。白砂糖の甘みは持続的なエネルギーにならず、ますます必要を感じるが、穀物や野菜の甘みは持続的で血糖値が安定するため腹持ちも良い。
黄色くて甘みのある食べ物が良い。でんぷん質全般、じゃがいも、さつまいもなどを塩気を加えて頂く。
根のものを摂る。(でんぷん・オリゴ糖として蓄えられたエネルギーが葉に比べて多い。)
食事の中心をご飯と味噌汁にする。
土用の期間にやった方が良いこと
- 大掃除、整理整頓
- 定期点検
- 季節に応じた部屋の模様替え
- サウナや半身浴
- プチ断食
- 瞑想
土用の期間に避けること
引っ越し、土いじり(ガーデニング)、増改築、旅行、穴を開けること、新しく物事をスタートさせること
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