森から出て来た熊さんみたいな人だった。
反対側の道を向こう側から歩いて来る彼と自然と見つめ合っていて
お互いに笑顔ですれ違った。
その後彼はすぐに私を追って来てお茶に誘った。
私は済ませたい用事がありその後も友人と約束があったので断った。
彼がとても感じの良い互いに波長が合うもの同士であることは
話してみてもよくわかった。
縁があればきっとまた会えるし、くっつくときはどんなことがあってもくっつくから。
そう高をくくっていた。
一理ある。でもね、、、自分でブレーキふんでたらいくものも行かない。
あの後何度も、まるで確かめるように偶然に会って
その度に彼は誘ってくれたのに
私はいつも煮え切らないハッキリしない態度でずっと断っていた。
何故断ったんだっけ。
次の約束があった。帰国する日が迫っていてやることがてんこもりだった。
そう、いつも次の約束があったんだ。
そして、英語力がないから会話に自信がなかったし
多分彼よりも遥かに年上だろうから遠慮してしまったのだ。
こんなおばあちゃんなのよ、わたし。
今なら思う。
年上だっていいじゃん。
英語力なんて無くたって、きっと楽しめたはず。
ただ一緒にいるだけできっと楽しかったはず。
もう彼に会う事もないだろうけれど。
『いいな』と思ったら行動してみる。
だめでもともと。
上手くいったら儲け物。
今はとても後悔している。
次に同じような事が起こったら
その時はきっとyesと言ってみる。