5月というのに爽やかどころか真夏のような日が続いていて、夜も眠る直前まで窓を開けていたりする。
夜の空を啼きながら渡る鳥に気づいたのはいつだったか。
同じような時間に近づき遠ざかって行く鳴き声。
ふと気になって調べてみたら、その声の主はホトトギスでした。
『ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる』
後徳大寺左大臣、藤原実定が詠んだ歌。
ホトトギスは夏の風物詩で、その姿を見るのは難しいのだそう。
空を渡るホトトギスの声は、夜の暗さと静かさを際立たせるような気がする。
そして何故か穏やかな気持ちになる。
ほととぎす〜の歌を知ったのは杉浦日向子さんの著作からで
だからだろうか、
だからだろうか、
声の主が分かってからはあの啼き声を聞く度に江戸の夜の街を想像してしまう。